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飯沼靖博と申します。

先日、ビオプロネット有志で調査を行いましたので報告させて頂きます。

【経緯と目的】
「子供たちひとりひとりの豊かな心を育み、人生を力強く生き抜いていける自立力を育てる」という素晴らしい保育理念を掲げ、取り組んでいる保育園さんが、
その理念実践のために、ビオトープを保育の場にしたいという熱い思いから、
あらたに保育園を2012年の秋に開設することになりました。

今回、我々、ビオプロネット有志は研修を兼ねて建設地の環境保全とその利用のための調査をさせて頂きました。
あらたにビオトープを保育園として運営するために、敷地内にある雑木林や様々な自然資源などを保全し利用していく方法を提案させて頂くため、2011年12月22日に第1回の建設地の現状を知るために植生調査を実施させて頂きました。

20111222調査地の状況と作業前の様子
(↑調査地は雑木林で林床はアズマネザサに覆われ、道沿いの林縁は比較的常緑やツルなどで構成されている)
何の規制もない小規模な開発では、ほとんどの場合がその場所が持っている自然の価値を知らずに失われてしまっています。
しかし今回は、園長の環境と保育に対する高い志から、建設前に状況を把握し、保全する方法やその利用を考えて行くことができます。
このような事例が増えていくことで、保全と利用がつながり地域の自然は生物の多様性の高い環境を維持して行く事ができるのではないでしょうか。


対象に合わせた形で新たな価値を見出しながら、自然を保全をしていくことが、私たちの仕事なのだ!


様々な人間のニーズを読み取り、少しでも自然の循環に歩み寄り、そのサイクルの中に組み込んでいくことで、
環境に配慮した持続的な事業が可能になる。

自然の様々な要素を具体的に事業やその運営に結びつけることにより、舞台となる場所や建物または物、仕組み、実施する内容まで、
ハードとソフト、その両方で保全を前提とした提案をすることができるのです。

あらためてビオトープの可能性をこの調査で実感することができました。


今回の調査では以下の点に着目しました。
・残すべき自然は何か?
・残したものの活かし方→保育のなかで活かす方法の提案

【林縁の調査】

20111222林縁の植生調査風景1

まずは樹林から他の環境へと変わる植物の多様性の高い移行帯を調査しました。

20111222林縁の植生調査風景2

確認することができた植生から、それを残すことによって、どのような園の風景をつくることができるのか?
またはどのようなビオトープをつかった保育、ビオトープ保育が可能か?
それらを検討して行きます。

20111222林縁の植生調査風景3
残しておくものに印をつけておきます。

20111222カラスウリ

具体的に残しておくべき自然として…
上の写真のようなカラスウリがあります。
写真はカラスウリの種です。これは打出の小槌や大黒様の格好をしているので縁起が良いとされています。
また夏の夜に、いいにおいのする白い美しい花を咲かせるので、お泊まり保育の時などに観察できます。
しかし、種から育てると実になるまでに時間がかかるため、すぐに実施するためには刈らずに残しておく方がいいでしょう。

他に
・マユミは実が鳥の好物なので、あると鳥がたくさん来てくれるかもしれません。
→鳥の観察ができる
・エゴノキは初夏に白い美しい花を咲かせます。
青い実はシャボンになり、昔の人はこれを使って川で魚をしびれさせて捕ったり、お手玉に入れたりしていました。
エゴノネコノアシというユニークなカタチの虫コブもできます。
シャボンやお手玉を作ったり、虫コブを観察して子供たちの想像力を膨らませることも出来るのではないでしょうか?
・アオツヅラフジや、ミツバアケビはツル細工に向いています。リース作りなんかを行っても愉しそうですね♪

このように少し調査しただけで、次々に保育園をつくるために残し利用できる植物がでてきました。


【林床植生の調査】


林縁環境を見たあとに、樹林の中での植生を調査します。
定点観測を行うために、明るい場所、暗い場所、建築のために樹林がなくなってしまう場所の3カ所
3m×3mの方形区画をつくりそれぞれをA,B,Cとしました。
作業としては
優占しているアズマネザサを刈り取り、林床に光があたるようにして、そこからどのような植生が春にかけて現れるかを観察していきます。
ここでも時間をおいて新たな植生を確認してその保全と、利用方法を探って行きます。

20111222方形区A刈取作業1
刈取りを行い
20111222方形区A刈取作業2
落ち葉かきを行い林床に光があたるようにします。集めた落ち葉は方形区に沿って山にします。こうすることによって外気にさらされる地面を風による乾燥から守り、また落ち葉は越冬する生きものたちのすみかにもなる。
これは先人たちの知恵で、生きものたちと一緒に生きている感覚をシッカリともっていたようです。
私たちは、こうした知恵から学ぶべき事がたくさんあります。
是非、保育のなかでも実践し伝えていきたいものですね~

方形区A(明るい場所)

20111222方形区A刈取前
刈取り前
20111222方形区A刈取後
刈取り後
20111222方形区A植生分布図
現在の方形区Aの中の植生の分布図


方形区B
(暗い場所)

20111222方形区B刈取前
刈取り前
20111222方形区B刈取前後
刈取り後
20111222方形区B植生分布図
現在の方形区Bの中の植生の分布図


方形区C(建築によってなくなる場所)

20111222方形区C刈取前
刈取り前

20111222方形区C刈取後
刈取り後

20111222方形区C植生分布図
現在の方形区Cの中の植生の分布図

以上のように
冒頭の経緯と保育園の目的、そしてそれを実現するための手段を検討するため、今回、調査を行ないました。
引き続き、現在確認できている残すことになっている樹林や、林縁植物、建設する際にでる伐採木や掘削によりでてくる表土などを、保育の現場の中でどのように活用していくか?検討しいきます。また春に出現する植生からも同じように保全し活用方法を考えていきます。
どのようなものが現れれるかとても楽しみです♪
次回の調査は3月の下旬を予定しています。

今回の調査は、とにかく愉しかった♪ 

その言葉につきます。
一見、ただの薮のある樹林ですが、方形区の中のアズマネザサを刈る事だけで、かつて先人たちが手入れをして活用していた素晴らしい雑木林が想像できました。

ビオトープが保育の現場となる

子供たちが毎日、本物の自然にふれて生活し、その感性を自身で育てて行く…

そんな保育園を想像するだけで気持ちがワクワクしてしまいました♪


(記事・写真:飯沼靖博)
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